アメリカの非居住者に対する相続税の免除

2016/01/04

最初に

復習になりますが、アメリカ市民やアメリカ居住者に適用される連邦遺産税の免除額は、2015年において $5,430,000 でした。新年の2016年から連邦遺産税の免除額は $5,450,000になります。つまりアメリカ市民・居住者の場合は、当免除額を超える資産額については、アメリカで相続税が掛かります。しかしアメリカにおいて非居住者である場合の免除額は、わずか $60,000 です。

 

 

非居住者が取得できる免除

当情報だけを聞きますと、アメリカでは被相続人が相続税を支払うことに対し、日本では相続人が相続税を支払う義務を擁することを前提とした場合、日本国籍である被相続人がアメリカに居住し、アメリカの財産を日本の遺族(相続人)に残した場合、被相続人がアメリカで発生する相続税を支払い、日本で相続をする遺族が、日本で発生する相続税を支払わなければいけなくなるという二重課税が発生するのではないかという心配が出てきます。しかしこの様な状況が発生した場合、日米相続税条約に基づいて、アメリカ市民・居住者に適用されるクレジット(免除額)が非居住者にも適用されることになり、二重課税を回避することが可能になります。

 

特例の計算方法により、米国に所有する資産が全世界資産に占める割合をアメリカ市民・居住者に適用されるクレジット(免除額)に掛けた金額が、非居住者のアメリカ資産においての免除額となりますので、アメリカでの総資産がその免除額を上まらない場合、アメリカでの相続税の支払いは免除されることになります。従って、日本でのみ相続税を支払うことになります。

 

 

最後に

$60,000の免除額と聞きますと、非居住者の場合、アメリカでも相続税が発生すると慌てる方も出てくるかと思いますが、相続税の免除が取れるか否かを会計士に相談してみてください。

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執筆者

本郷法律事務所

本郷 友香 弁護士

ハワイ州とカリフォルニア州、両方の弁護士資格を所有し、信託、遺言書作成、プロベート(検認手続き)等を含むサービスを主に提供する弁護士。過去数年間は日本に在住し、大手米国会計事務所にて法務、会計の分野において、国際的な仕事に携わっていたとともに、多種の文書において豊富な翻訳経験がある。日本語・英語のバイリンガルであり、両言語において、会話と読み書きが堪能。