既にトラストに入れた不動産をトラストから除くことが可能か

2016/04/12

前回までの復習になりますが、不動産またはその他の財産をトラスト財産の一部にする為には、トラストを作成した後、不動産またはその他の財産で個人名義にしていたものを、トラストの名義に変更する必要があります。

不動産をトラスト財産の一部にする為には、Quitclaim deed(権利放棄証書)を作成し、個人または夫婦名義からトラストへの名義に変更する手続きを取ります。本記事においては、一度トラスト名義に変更した不動産を、トラスト財産から取り外すことができるかについてお話させて頂きます。

 

 

不動産を売却した場合

既にトラスト財産の一部となっている不動産を他者に売却し、トラストから取り除くことができます。トラスト名義に変更されている財産は、個人から個人への通常の売却の様に、第三者に売却され、トラスト名義から購入者への名義に変更されることが可能です。この様に、不動産は第三者への売却によって、自動的にトラスト財産から取り除かれることになります。

 

上記はトラストに予め入れておいた不動産をトラスト作成後に売却することを判断した場合等に該当します。

 

 

不動産を売却する方法以外でトラストから取り除く場合

不動産を売却する以外の方法で、トラスト財産の一部から取り外すこともできます。その場合Quitclaim deed(権利放棄証書)を作成し、トラストをGrantor(譲与者)に指定し、ご自身、またはその他の方をGrantee(被譲与者)に指定し、トラストのTrustee(管財人)が証書に署名をし、登記所に提出することになります。登記が完了し名義がGrantee(被譲与者)に変更されますと、不動産はトラストの財産ではなくなります。

 

上記の方法は、トラスト文書にて指定されているBeneficiary(受取人)にトラスト作成後不動産を相続させたくなくなり、ご自身に所有権を戻すこと等を判断した場合に該当します。

 

 

トラストから取り除くことも、追加することも可能

財産の全てを既にトラストの名義に変更してしまったが為に、トラスト財産である不動産等を将来売買の対象にすることはできなくなるのではないか、と心配することはありません。トラストから取り除く方法もあり、またトラスト作成後新しく購入した財産等も、既に存在するトラストの財産の一部にすることは可能です。

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執筆者

本郷法律事務所

本郷 友香 弁護士

ハワイ州とカリフォルニア州、両方の弁護士資格を所有し、信託、遺言書作成、プロベート(検認手続き)等を含むサービスを主に提供する弁護士。過去数年間は日本に在住し、大手米国会計事務所にて法務、会計の分野において、国際的な仕事に携わっていたとともに、多種の文書において豊富な翻訳経験がある。日本語・英語のバイリンガルであり、両言語において、会話と読み書きが堪能。