日本の税制改正で、税を支払う義務範囲が広がりました

2016/06/08

亡くなる5年前まで日本に住所があれば税の対象に

2013年の税制改正以前においては、日本に「住所」を持つ相続人(つまり遺産を受け取る側)は、全世界に所在する遺産において、日本において、相続税を支払う義務を負いました。相続人が日本において「住所」を所有していなかった場合、相続人は日本において所在する遺産に対してのみ、相続税を支払う義務を負いました。しかし、2013年の税制改正により、相続人が日本において「住所」を所有していなかった場合も、被相続人が亡くなる5年前まで日本に住所を所有していた場合、全世界において受け取った遺産に対し、日本で相続税を支払う義務を負うことになりました。

 

従って、日本に在籍する駐在員の方で本国に住む遺族に遺産を相続させた場合、または日本に住み、子供等が海外に住んでいた場合でも、相続税の対象となる財産の幅が広がってしまいました。

 

以下の概要図にて、相続税を支払う場合・支払わない場合が理解できます。「住所」というのは、相続税基本通達により、「各人の生活の本拠をいうのであるが、その生活の本拠であるかどうかは、客観的事実によって判定するものとする」、と定義されています。「住所」は客観的事実によって判定されますが、国籍、家族・友人の大半が住む場所等の要素が考慮され、日本に住所があるか否かについて判定されます。

日本の税制改正で税を支払う義務範囲が広がりました

上記表により、以下の要件を満たさないと、日本で相続税の支払いを回避することはできないということが伺えます。

 

  • 被相続人も相続人も、相続が発生するまでの5年間以上は、日本国以外の海外で居住しており、日本では住所を所有していないと見なされる。
  • 相続財産を全て日本国外に移している。

 

税制改正とともに、より入念に相続計画を立てることをお勧めします。

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執筆者

本郷法律事務所

本郷 友香 弁護士

ハワイ州とカリフォルニア州、両方の弁護士資格を所有し、信託、遺言書作成、プロベート(検認手続き)等を含むサービスを主に提供する弁護士。過去数年間は日本に在住し、大手米国会計事務所にて法務、会計の分野において、国際的な仕事に携わっていたとともに、多種の文書において豊富な翻訳経験がある。日本語・英語のバイリンガルであり、両言語において、会話と読み書きが堪能。