相続対策をしそびれた有名セレブたち

2016/05/05

トラストも遺言書も残さず、亡くなったセレブ

一般人から見ますと、特にアメリカの芸能人等のセレブには、顧問弁護士やファイナンシャルアドバイザー、会計士等が常につきっきりで、財政状況や相続対策についてアドバイスしてくれていると考えがちですが、実はトラストも遺言書も残さず、亡くなって行くセレブもいるのです。今回は、相続対策を取らないで亡くなって行ったアメリカのセレブ5人をご紹介致します。

相続対策をしそびれた有名セレブたち

 

 

プリンス(歌手)

80年代を代表する歌手でしたが、つい先月、原因不明の要因によって、他界してしまいました。生前、自らの音楽著作権に関しては厳しく主張していたそうですが、不思議に相続対策は何もしていなかった為、トラストも遺言書も残していませんでした。従って、自らの総額1億5千万~3億位に相当する財産は、無遺言の相続順番によって、兄弟に分配されるそうです。アーティストは亡くなってからも自らの発掘した音楽から収入が発生するので、兄弟間の揉め事は当分絶えなさそうです。

 

ピカソ(画家)

著名な画家であったピカソは、91歳で南フランスにて他界しました。膨大な資産に対する争いはすごく、裁判で和解に至るまで、3千万ドルの費用が6年の期間において掛かりました。最終的には、6人の相続人の間で財産が分配されましたが、ピカソが1973年に亡くなってから、1999年位に至るまで、遺族は「ピカソ」の名前に対する商品化権について、争いました。

 

エイブラハム・リンカーン(第16代目の大統領)

エイブラハム・リンカーンは、1865年に暗殺され他界しましたが、アメリカの大統領として初めて暗殺された人物であるとともに、大統領として、遺言書を残さず、亡くなった初めての人物でもありました。皮肉にも弁護士でしたが、南北戦争で大変だった為、遺言書等を作成している余裕はなかったのかもしれません。結局財産は、残された奥様と二人の息子さんに分配されましたが、トラスト・遺言書が存在していた方が、家族にも迷惑を掛けなかったでしょう。

 

ハワード・ヒューズ(企業家で億万長者)

ハワード・ヒューズは70歳で、1976年に他界しました。亡くなった後、ユタ州のソルトレイクシティ―に本拠地を置くモルモン教の教会にて、ヒューズの遺言書が発見されました。それによりますと、ヒューズの資産の16分の1をモルモン教の教会に残す旨が綴られていましたが、ネバダ州の裁判所において、「偽造」と判断され、遺言者は無効となり、結局財産は彼のいとこ達(計22人)に分配されました。

 

ボブ・マーリー(歌手・シンガーソングライター)

ボブ・マーリーは1977年に、わずか36歳の若さで他界しました。自身の宗教信仰に従い、遺言書は作成しませんでした。その為、前妻と13人の子供との間に争いが生じました。マーリーは亡くなった後も絶大な人気を誇った為、2013年~2014年に掛けては、音楽等によって2千万ドルもの収入を得ることができました。これほどの収入を継続して得ることになれば、残された遺族の争いは、彼らの生涯にわたって、ずっと続くかもしれません。

 

 

 

最後に: 一般人とセレブでは所有資産の金額が異なるかもしれませんが、生前相続対策を実施することにより、一般人もセレブと同様に、相続対策を取らなかった場合の遺族への迷惑を軽減する、または財産が希望に沿わず、意図せぬ相続人に行くこと等を防ぐことはできるかもしれません。

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執筆者

本郷法律事務所

本郷 友香 弁護士

ハワイ州とカリフォルニア州、両方の弁護士資格を所有し、信託、遺言書作成、プロベート(検認手続き)等を含むサービスを主に提供する弁護士。過去数年間は日本に在住し、大手米国会計事務所にて法務、会計の分野において、国際的な仕事に携わっていたとともに、多種の文書において豊富な翻訳経験がある。日本語・英語のバイリンガルであり、両言語において、会話と読み書きが堪能。