日本法人税務に関する重要事項

親会社に対する支払い利息の損益算入の制限(アー二ング、ストリッピング、ルール)

米国子会社が日本本社に借金をしており、その親会社に支払う金利は過少資本や移転価格などの規定によりその妥当性が認 められない場合以外、原則として控除が認められました。しかし、外国の関係会社に対して支払われた利子について、受取側が租税 条約に基づくアメリカの課税が減免されている場合、その割合に応じて支払い側米国子会社の控除を制限する規則があります。 米国子会社の外国関係会社に対する支払利子のうち、受取側でアメリカの課税を免ぜられたとされる額(基礎対象額)と、法人 の支払い利子純額が調整課税所得の50%を超える額(超過利子額)と比較し、小額の方を控除制限額とします。

 

調整課税所得とは課税所得に次の4項目を加算した額を言います。

  1. 支払利子純額(支払利子総額マイナス受取利子総額)
  2. 繰越欠損金を当期課税所得の計算上控除している場合のその控除額
  3. 税務上の減価償却費、減耗償却費およびその他の償却費
  4. 財務省施行規則に定める調整項目(未定)

負債比率が低い場合、控除制限は適応外となる。

この規定は、課税年度末における法人の負債の対資本比率が1.5対1を下回る場合には適用されないこととなっています。こ の例外規定のため、本規定の導入は、外資系法人の自己資本比率の向上を図るための、過小資本に替わる新たなアプローチのようです。

米国内関連会社がある場合

この規則の適応は、アメリカ国内に兄弟会社がある場合、複数の米国内関連会社が一つの納税者として取り扱われるため、アメ リカ国内にあるすべての関連会社を合算して、負債比率と控除限度額の計算をしなければなりません。

 

 

本支店間取引に関する妥当性の規定

日本の企業がアメリカ国内に支店を設置して事業活動を行う場合、一般に米国支店は日本の本店から独立した事業対象とみな され、米国企業と同様に法人所得税が課せられます。すなわち、米国支店で営業活動をしているので、その支店の所得については すべて税務申告しなければなりません。

その際、本支店間の商品販売価格などを操作してアメリカでの税務負担を軽減できる可能性が常にあるため、本支店間取引が妥 当であるかどうかは、次のような規定が設けられています。

  1. 本支店間の取引価格は独立企業基準に基づいていること
  2. 本支店間の経費配分が妥当であること

州税には連邦税法基準とユニタリー方式の基準がある

連邦税のほかに、米国支店はその営業を行っている州において州税を課せられます。課税方法は州によって異なりますが、連邦税法上の所得を基準にする州とカリフォル二ア州のようにユニタリー方式「親会社と関連会社との利益を合算して課税所得を計算する方式」を採用している州があります。

連邦税法基準では米国支店を独立した事業体とみなし、その支店の営業行為と実質的に関連した所得が課税対象となります。 一方、ユニタリー方式の場合は、日本の本店、米国支店およびその他の外国支店の所得総額を、米国支店に帰属する売上高、資産 および人件費などに按分して、その州の課税対象所得を計算します。したがって、会社全体で利益が出ていれば、米国支店が利益 を出しているか否かに関わらず、州税を支払う義務が生じます。

米国支店が支払う所得税は、二重課税を防ぐため、日本ではもちろん直接外国税額控除の対象となりますが、日本における外国 税額控除限度額には十分注意が必要です。

支店レベル利子税 (BRANCH TAX)

本店が調達した資金を米国支店が運営している場合、本支店間みなし支払利子の10%に相当する支店レベルの利子税が課せられ ます。この場合の本支店間支払利子は、実際の額によるのではなく、米国支店の資産規模を基礎として一定の方法で計算されたみなし額によることとなります。本支店全体としての資金の調達形態を考える場合、この税金による追加負担についても注意が必要です。

支店レベル利子税

本店が調達した資金を米国支店が運営している場合、本支店間みなし支払利子の10%に相当する支店レベルの利子税が課せられ ます。この場合の本支店間支払利子は、実際の額によるのではなく、米国支店の資産規模を基礎として一定の方法で計算されたみなし額によることとなります。本支店全体としての資金の調達形態を考える場合、この税金による追加負担についても注意が必要です。