障害者を保護する為のトラストについて

2015/12/03

障害を持つ遺族に資産を残しつつ、国からの補助金も受給する

家族に身体・精神障害者をお持ちの場合、銀行口座預金等を含む、十分な資産を残した場合、障害を持った遺族がアメリカのSocial Security Income (SSI)(公的年金所得)やMedicaid Benefits(公的低所得者医療扶助)の受給資格を得られない場合があります。Special Needs Trust(身体者を保護する為のトラスト)を作成することにより、障害を持つ遺族に十分な資産を残しつつ、国からの補助金(上記のSSIやMedicaid Benefits)も受給させることが可能になります。

 

 

身体者を保護する為のトラスト【Special Needs Trust】

機能

まず、トラストの対象となる障害者以外の人をトラストの管財人(Trustee)に指定し、その管財人がSpecial Needs Trust内の資産に対し、完全な裁量権を所有し、障害者に掛かる諸費用等を支払う責任を有します。トラスト資産の受取人は、障害者になります。対象とする障害者は、トラスト内の資産に対し、全く権利を所有しないため、SSIやMedicaid Benefitsを支給する機関等は、それらの受給資格を検定するにあたり、トラスト内の資産額を考慮しません。従って、障害を持つ遺族に十分な資産を残すとともに、その遺族が国からの補助金(上記のSSIやMedicaid Benefits)を受給する権利を妨げない結果になります。

運用

Special Needs Trustの場合、管財人(Trustee)は、直接トラスト内の資産を障害者の受取人に渡すことはできませんが、代理人として、障害者が必要な諸サービスを受けるための費用、または生活に必要な物を購入することができます。管財人(Trustee)は、看護師の雇用、家具、車、医療費、歯科医に掛かる費用、または休日の旅費等を代理として支払うことができます。

停止

Special Needs Trustを作成した場合、受取人として指定される障害者の死亡、またはトラスト内の資産を使い切った時点で、トラスト自体が停止します。

 

最後に

障害を持ち、将来判断力等が低下する見込みのある遺族がいらした場合、通常のトラストではなく、Special Needs Trustを作成する選択肢があるということも念頭に置いてみてください。

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執筆者

本郷法律事務所

本郷 友香 弁護士

ハワイ州とカリフォルニア州、両方の弁護士資格を所有し、信託、遺言書作成、プロベート(検認手続き)等を含むサービスを主に提供する弁護士。過去数年間は日本に在住し、大手米国会計事務所にて法務、会計の分野において、国際的な仕事に携わっていたとともに、多種の文書において豊富な翻訳経験がある。日本語・英語のバイリンガルであり、両言語において、会話と読み書きが堪能。