米国でのオーバーステイがもたらす処分について

2014/11/17

外国人が滞在許可の有効期限が切れてしまった後も、そのままアメリカに滞在すると不法滞在(オーバーステイ)となります。これは、よく起きてしまう問題ではありますが、深刻な結果を引き起こします。オーバーステイをしてしまった場合、その後起こりうる状況を十分理解し、早めに対処することが大切です。

 

 

不法滞在をしてしまった場合に起こりうる4つの主な事態

  1. 不法滞在の期間によって、3年もしくは、10年間、アメリカへの入国を禁止される。
  2. 滞在の延長や、ステータスの変更ができなくなる。
  3. 現在使用中のビザが無効となる。
  4. 原則として、自国の大使館のみでしか新しいビザの申し込みができなくなる。

 

以下で、上記の4つの起こりうる事態について詳しく説明します。

 

 

入国禁止

3年間の入国禁止

滞在許可の有効期限が切れた後、アメリカに180日以上1年未満、オーバーステイをしたが、国外追放の処分を受ける前に、自らアメリカを発った場合には、そのアメリカを退去した日から3年間の間は、アメリカへの再入国が禁止されます。

 

10年間の入国禁止

滞在許可の有効期限が切れた後、アメリカに1年間以上のオーバーステイをしてしまっ たが、国外追放の処分を受ける前に、自らアメリカを発った場合には、そのアメリカを 退去した日から10年間の間は、アメリカへの再入国が禁止されます。

 

 

滞在の延長やステータスの変更ができなくなる

滞在許可の有効期限が切れてしまうと、滞在の延長や他の非移民ステータスへの変更ができなくなります。また、大抵の場合、アメリカ国内で非移民のステータスから永住権者となるための手続きをアメリカ国内で済ませることも不可能となります。一日でもオーバーステイがあると、その後のステータス変更をアメリカ国内で行うことができないため、注意しましょう。

しかし、米国市民権・移民業務局によると、滞在許可の有効期限が切れてしまう前に、滞在の延長やステータスの変更、または永住権の申請を提出していれば、もし、それらの申請結果がI-94の有効期限が切れた後に出たとしても、それまでは合法に滞在していると見なされますので、3年もしくは10年の再入国禁止の処分は受けません。

※ステータス変更や永住権申請が拒否された場合、3年、10年の処分の対象にはなりませんが、その後アメリカ国内でステータス変更を行うことができない可能性があります。

 

 

ビザの無効化

オーバーステイをしてしまうと、現在所持しているビザは自動的に無効となります。移民局はこの条項の解釈と遂行をとても厳しく行っております。つまり、1日オーバーステイをしてしまっただけでも、現在所持しているビザは無効となります。そのため、そのビザでの再入国は不可能となり、アメリカに入国するためには自国の大使館において、新たにビザを取り直す必要がでてきます。

 

 

自国の大使館のみでしか新しいビザの申請ができなくなる

オーバーステイをした外国人は、自国に戻り新たにビザを取得しなければなりません。アメリカにより近い大使館や自身にとって都合の良い大使館で申請をすることはできなくなります。もし、自国にビザを発行している大使館がない場合には、アメリカ国長官が指定をする国に行き、ビザを申請する必要があります。

しかし、稀に例外が適用されることもあります。 もし、自国の大使館でビザの申請ができない「特別な事情」( ‘extraordinary circumstances’ )があるということを証明できる場合は、自国以外の国の大使館にてビザの申請を許可されることがあります。その場合は、大使館での予約やビザの申請をする前に、その自国以外の大使館から許可を受ける必要があります。

 

 

問題が悪化する前に、早めに弁護士に相談しましょう!

このように、オーバーステイをしてしまうと、深刻な法律問題が出てきます。弁護士に相談することにより、その問題を少しでも緩和できるかもしれません。特に、ビザの有効期限が迫っているけども自国へ帰ることができない、または出国できないことが予想される場合は、問題が悪化する前に早めに弁護士の相談を受けることをお薦めします。時間に余裕を持って弁護士と相談することで、より多くの選択肢を見つけることができるでしょう。

 

※お断り このコラムはクライアントからの質問を一般的に書き換えたものです。読者のお役に立てればと思いますが、あくまでも一般的なケースであって法的なアドバイスが必要な方は専門家にご相談ください。

 

 

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執筆者

アイナ法律事務所

ミチコ・ノーウィッキ 弁護士

米国移民法、帰化法を専門とし、米国へ移住を希望される家族を始め、個人並びに企業なども対象とし、あらゆる移民法に関するお手伝いをしています。 学歴 ハワイ大学法律学校(JD, University of Hawaii William S. Richardson School of Law) マーケティングと経営学の学士を同時取得 (BA、 University of Hawaii at Manoa) 弁護士ライセンス Hawaii Supreme Court U.S. District Court, District of Hawaii U.S. Court of Appeals, Ninth Circuit 弁護士協会 American Immigration Lawyers Association (AILA-Hawaii Chapter), 全米移民弁護士協会 American Bar Association (ABA) (全米弁護士協会)、 Hawaii State Bar Association (HSBA) (ハワイ州弁護士協会)。