ハワイ州での飲酒運転について

2014/11/24

2年間の免許没収にもつながります

 

警官は運転席のドライバーを観察している

近年、ハワイでは女性を含め、飲酒運転で逮捕される人が増えています。飲酒運転で有罪になると初犯で2年間、免許が没収または停止されるなど、車社会では生活への影響が甚大。ホリデーシーズンを迎えるに当たり、今回は飲酒運転について説明しましょう。

 

飲酒運転で逮捕される際、当然、警官がまず被疑者の車を停止させるわけですが、停止を命じる理由はさまざま。検問や事故、または蛇行運転などで最初から飲酒運転を疑われる場合は、実はごく一部です。夜なのにライトがついていなかったり一時停止しなかったりと、ごく些細な交通違反が飲酒運転での逮捕につながる例が、驚いたことに中心です。

 

そして、いざ車を止められたら。その瞬間から、警官はドライバーの観察を始めています。ドライバーが酔っているか否かを見るため、警官がドライバーを線の上を歩かせたりすることはご存知ですね。ですが飲酒の有無の判定プロセスは、それよりずっと前から始まっています。ドライバーに話しかけた瞬間から警官はひそかにドライバーの目の充血を確かめ、酒臭いかどうか、車の中に酒類が置かれているかどうか、冷静に免許証や車の登録証を出せるかどうかなど素早くチェックしています。その上で飲酒を疑うと車から出て路上テストを受けるように言いますが、車から出る様子もまたじっくり見ています。

 

 

路上テストとアルコール濃度検査

いざ路上テストを命じられた場合は、警官の指示に従い、①線の上を一定の方法でまっすぐ歩く②一定の時間、片足で立つ③視線を水平に左右に動かす―といった3つのテストをこなさなければいけません(ここではごく簡単に説明しています。実際はもっと細かい指示があります)。3つのテストのうち2つ成功できれば、たいがい警官は行ってよい、と言ってくれるでしょう。ですが2つ以上のテストを失敗すると、その場でアルコール濃度を簡易装置により検査。さらに警察署に連行され、正式なアルコール濃度検査を受けることになります。

 

この時、飲酒運転が立証されるには、 「血中アルコール濃度が0.08以上」または、「飲酒運転と信じるに足りる危険運転を被疑者がしていたことを、警官が証言できる」のどちらかが必要となります。なので2回のアルコール濃度検査で血中アルコールが規定の0.08以下であっても、2つ目の理由によりそれでも逮捕につながることを、知っておいてください(ただしアルコール濃度が0.08以下の場合には、常に逮捕に異議を唱え裁判での決着に持ちこむのが、弁護士にとっては常識となっています)。

 

 

地方裁判所と州政府による2つの罰則

諸々の判断を経て、もし飲酒運転で有罪が確定したら。その罰則は甚大です。まず罰金が$250~$2000、最悪の場合5日までの禁固刑。そして2日間のドライバー教育クラスと飲酒に関するカウンセリング出席が必須。さらには2年間の運転免許証停止という結果が生じます。もしアルコール濃度が0.15以上なら別の罰が適用され、罰金は$500以上、免許没収も3~5年となります。

 

以上が地方裁判所に関わる裁定なのですが、ハワイ州では飲酒運転をすると、地方裁判所とは別に、ハワイ州の行政運転免許証没収事務所(Administrative Drivers License Revocation Office 以下ADLRO)からも審査され、こちらからも別途、罰則を受けることになります。しかもADLROの罰則は、免許停止ではなく免許没収です(このあたり少しややこしいので、ADLROについては次回、詳しく説明します)。

 

ただし運転免許没収や停止後の運転について、全米での流れに従い、ハワイでも近年、大きな規定変更がありました。例外なく運転禁止になるのではなく、それが初めての飲酒運転での逮捕で、血中アルコール濃度が0.15以下の場合に限り、条件付きで運転できるようになりました。車にインターロックと呼ばれる装置を取り付けてドライバーのアルコール濃度をチェックし、飲酒してない場合にのみ運転ができるというシステムが採用されたからです。免許証自体は取り上げられ、代わりに許可証となる用紙をもらって運転します。ですが飲酒運転で有罪になった過去があるなどの場合は、この運転制限の緩和が認められない点に留意ください。

 

 

長くなりましたので残りは次回、お話しすることにしましょう。パーティのシーズンですが、くれぐれも飲酒運転に気をつけてお過ごしください。

 

 

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執筆者

刑法専門弁護士

ウォルター・ロドビー弁護士

1964年、オアフ島ワヒアワに生まれる。1991年にハワイ大学法律大学院を卒業後、ハワイ州とワシントンD.C.の司法ライセンス(弁護士資格)を取得。ハワイ州高等裁判所の調査担当書記官を経て、1992年からハワイ州選弁護人事務所に勤務。2006年、ホノルル・ダウンタウンにウォルター・ロドビー法律事務所を開設する。ハワイ州司法協会&ハワイ州刑法弁護士協会会員。またハワイ州選弁護人事務所セミナーの特別講師、プナホウスクール模擬裁判クラブのコーチなども務める。