ハワイ州での飲酒運転について その2
2014/12/26
地方裁判所と州事務所による2つの審議
前回のコラム 「ハワイ州での飲酒運転について」で、ごく簡単にハワイ州の機関である行政運転免許証没収事務所(Administrative Drivers License Revocation Office)にふれました。
以前はハワイで飲酒運転をすると地方裁判所が一括して決断を下していましたが、今ではこの行政運転免許証没収事務所(ADLRO)でも、別途、独立した審査をするようになりました。つまり地方裁判所で無罪を勝ち取っても、ADLROが免許を没収することもできるわけです。
しかも地方裁判所では免許を2年間「停止」するのに対し、ADLROでは免許を2年間「没収」します。2年後、運転を再開するためには、筆記テストから始めて路上テストと、免許を初めから取り直さなければいけないのです。
なぜこのように飲酒運転の審議が2段階に分けられたかというと、昔ハワイ州で、飲酒運転の判決を待っている最中のドライバーがまた飲酒運転し、死者が出たことがあるからです。裁判で決着するまでは逮捕後も免許を取り上げられなかったので、そのような事故が起きました。
なので今では、警察が調書を作成すると、調書と免許証をADLROに送り、そちらでただちに審議が行われることになりました。地方裁判所では免許停止のほか罰金刑や禁固刑を検討するのに対し、ADLROでは免許を没収するか否かだけを審議します。このような理由から、飲酒運転によって免許を取り上げられる確率は、昔に比べ大変高くなりました。
旅行者と飲酒運転
飲酒運転での有罪判決は、旅行者にとっても厄介な結果をもたらします。前回、有罪判決には禁固や罰金刑のほか、2日間のドライバー教育クラスと飲酒に関するカウンセリング出席が必須、と説明しました。ハワイ州外に住む人にとっても同様です。ハワイに足止めされるわけではありませんが、自国で、または次の訪問地で、2日間のドライバー教育クラスと飲酒に関するカウンセリングに匹敵するプログラムを受けなければなりません。さらにその証明を裁判所に提出する必要があります。
というのも裁判所で判決を受ける際に、この証明書を提出する期日も一緒に定められ、期日を守らなければ逮捕状が出るからです。そして逮捕後は、元々の判決がやり直しに。ハワイ外の在住者なら、アメリカに入国した次点で逮捕→判決のやり直しとなります。
実際、以前、こんな人がいました。ハワイでの飲酒運転で有罪判決を受けた時、その日本人男性A氏はオーストラリアに向け出国する間際でした。A氏はオーストラリア各所に数週間づつ滞在予定だったので、各町で飲酒運転に関するクラスとカウンセリングを見つけて出席し、その証しとして担当者の署名をもらうことになりました。
しかも規定の時間数をこなした証明として、○月○日、○時~○時までクラスに出席、といった細かい内容も記してもらわなければなりませんでした。その証明書をオーストラリアから弁護士を通じてハワイの裁判所に提出することで、判決に提示された全ての条件を無事クリアすることができました。
もし飲酒のうえ事故を起こしたら
飲酒運転だけでもこれだけ厄介なのに、もし飲酒中に人身事故を起こしたら。過失がない場合は単なる交通事故として処理されるのに対し、飲酒をはじめスピード違反などドライバーに過失あっての交通事故は重い犯罪になり、大ごとです。
たとえば飲酒運転中の人身事故は過失致傷罪にあたり、5年までの禁固と$10000までの罰金。死亡事故は過失致死罪にあたり、10年までの禁固と$25000までの罰金。過度の飲酒など、あまりに悪質の場合は殺人罪が適用されることすらあり、外国人でもハワイで収監されることになります。
以上のように、ハワイでの飲酒運転の結果は、在住者にも旅行客にもそれは甚大です。よく飲酒後、「まだそんなに酔っていない」「ちゃんと運転できるから」と油断して運転するドライバーが多いですが、前回お話したように、事故や蛇行運転など何かあった場合にだけ飲酒が問題になるのではありません。一言で言えば、夜間、警官は路上で目を光らせています。これから新年に向けて、まだまだパーティが続くことでしょう。些細な交通違反が飲酒運転での逮捕につながるケースが多いのを理解したうえで、外食やパーティを楽しんでくださいね。






