トランプの移民政策の4つの柱
2018/05/25
トランプの移民政策の4つの柱
トランプは、今年1月に行われた連邦議会の上下両院合同会議にて、彼の移民計画における4つの「柱」について演説しました。この柱は、「アメリカ人を雇用し、アメリカの製品を買う」というキャンペーンのスローガンを強化し、移民政策の優先順位を見直すものとなります。これらの優先事項には、国境警備の強化、内装執行、そしてメリットベースの移民制度が含まれます。
まず、第一の柱は、アメリカ南部のメキシコとの国境沿いの壁の建設に取り組むこと。これにより、南部より犯罪者やテロリストがアメリカへ侵入してきた抜け穴を防ぎ、国境の警備を完璧にする、としています。
第二の柱は、子どもの頃に親にアメリカに不法に連れてこられたドリーマーズと呼ばれる180万人の若者に関する枠組みです。彼らは、DACAと呼ばれるプログラムによってアメリカに滞在できるステータスを認められていましたが、現在はトランプにより廃止されてしまいました。
第三の柱は、グリーンカードの抽選(DVプログラム)についてです。トランプは、DVプログラムにより、アメリカ国民の安全に関係なく、無作為に与えていたアメリカの永住権は廃止されるべき、と述べています。このプログラムは、1990年に議会によって設立されました。歴史的にアメリカの移民率が低い国の出身者に対し、合計毎年5万人の永住権を発行する制度です。毎年、その国からの移民の数を見て、統計に基づいて、各年の永住権発行数が計算されています。過去のデータによると、毎年約14.5百万人の外国人が応募しています。
トランプは、DVプログラムが「人の技術、メリット、安全性を何ら考慮せずに無作為にグリーンカードを渡すもの」と誤解していますが、これはアメリカでもよく見られる思い違いです。実際には、DVプログラムを通して永住権を得る場合、厳しいバックグラウンド、セキュリティーチェックをクリアすることに加え、特定の教育レベルもしくは熟練した職務経験の要件を満たしていることを証明しなければなりません。つまり、DVプログラムで抽選に当たった人も、他の雇用ベースや家族ベースのグリーンカード申請者と同様に、スクリーニングのプロセスを得なければなりません。このプロセスは非常に厳しく、完了するまでに数か月かかります。セキュリティーのスクリーニングでは、バイオメトリックス、および複数の政府機関のデータベースによる名前と指紋の確認が含まれます。これにより、潜在的な犯罪者、テロリスト、組織犯罪者、ギャングやその他、国家安全を脅かす可能性のある人物を特定します。また、DVプログラムの当選者は、面接にも出席する必要があります。そこで再度、入国許可に影響を及ぼす可能性がある危険信号がないか、審査されます。
最後に、第四の柱は、移民の連鎖を終わらせることです。トランプによると、現在の移民制度は破綻しており、一人の移民を受け入れることで、連鎖的に遠い親族まで際限なくアメリカへ連れてくることになる、と述べています。しかし、これについても現在の移民法を誤解しています。
アメリカは、家族ベースの移民にすでに制限をかけています。家族ベースのグリーンカードは、配偶者、子ども、親そして兄弟(アメリカ市民の兄弟に限られる)のみしか申請できません。例えば、祖父母、叔父、叔母、いとこやその他の親族には、申請する権利が与えられません。また、家族向けのグリーンカードの発給数は、年間割当数によって制限されています。例えば、アメリカ市民の兄弟のグリーンカード申請に関して言えば、1994年~2004年に申請された案件がようやく発行される順位が回ってきているほどです。つまり、申請できたとしても実際にグリーンカードが発給されるまでの待ち時間が非常に長いわけです。
更に言えば、自分の家族のグリーンカードを申請する者は、グリーンカードを受け取る家族を金銭的にサポートできることを証明しなければなりません。
このように、トランプによる4つの柱は、誤解に基づいた政策であることが分かります。






