ハワイ州の相続税について

2015/11/06

ハワイ州の相続税

アメリカ合衆国の連邦相続税においては、$5,430,000を超える資産を所有していた場合、亡くなった後、相続税を支払わなければいけません。

本記事においては連邦相続税ではなく、州の相続税についてお話させて頂きます。主に、ハワイ州の州相続税についてご説明させて頂きます。ハワイ州は、州の相続税の申告書を作成し、相続税の支払いをする義務を擁する、数少ない州の一つです。カリフォルニア州等の他の州においては、2005年1月1日以降は、州の相続税の申告書を提出する必要がなくなった等、州単位で相続税を請求する所は少ないです。

 

 

ハワイで相続税の申告書を作成する義務

ハワイ州においては、ハワイの居住者、またはハワイの非居住者であるが、アメリカの居住者または市民に相当する方については、亡くなった際、全米において、総資産が$5,430,000を超えている場合、ハワイ州の相続税申告書を作成・提出する必要があります。$5,430,000の総資産額は、連邦相続税の対象となる額と一緒です。ハワイの非居住者である方は、ハワイ州において不動産、船等の資産を所有している場合等は、ハワイ州において、相続税を支払う義務を擁する場合があります。

アメリカの非居住者であり、アメリカの市民に相当しない方においては、全米において$60,000を超える総資産がある場合には、ハワイ州の相続税申告書を作成・提出する義務があります。

 

 

ハワイ州の申告書(M-6)

亡くなった際、総資産が$5,430,000を超えていた場合、連邦相続税の申告書を作成するとともに、ハワイ州においても、ハワイの相続税申告書(M-6というフォーム)を作成・提出しなければいけません。相続税の支払いがある場合、亡くなった日時から、9ヵ月以内に州の相続税を支払う義務があります。申告書の提出においては、州から6か月の延長をもらうことができますが、相続税の支払いについては、延長をもらえることはなく、延滞して支払われた税金については、利息が掛かることになります。

 

 

ハワイ州の相続税率

ハワイ州の相続税率には幅があり、最少で5%、最高で16%の相続税率が掛かることになります。

 

 

相続税を支払わなくても良い場合

ハワイ州の申告書を作成する義務はあっても、税金の免除を受け、相続税を支払わなくても良い場合があります。

亡くなった際、総資産が$5,430,000を超えていた場合、ハワイ州の相続税申告書を作成する義務を擁しますが、連邦相続税と同様に、税金の免除等を受けた場合、税金を支払わなくても良い場合があります。その様な場合でも、総資産額が$5,430,000を超えていた場合、申告書自体は提出する必要があります。

 

無制限の婚姻控除の場合(Unlimited marital deduction)

復習になりますが、ご夫婦の場合、配偶者の一人が亡くなった際、総資産の全てを生存配偶者に残しますと、Unlimited marital deduction(無制限の婚姻控除)が適用されるため、$5,430,000を超える資産があった場合でも、生存配偶者にそれを渡す時点では、連邦相続税を支払うことはありません。これと同様に、ハワイ州の相続税においても、Unlimited marital deduction(無制限の婚姻控除)が適用されるため、生存配偶者に全ての資産を残し、総資産が$5,430,000を超えていた場合、ハワイ州の相続税申告書を提出しなければいけませんが、相続税の免除を受けることになるため、税金の方は支払わなくても良くなります。

 

ポータビリティー(Portability)の場合

以前の記事で、ポータビリティーについてお話させて頂きました。復習になりますが、ポータビリティーとは、最初の配偶者が亡くなった際、その亡くなった配偶者の連邦相続税の免除額で使われなかった分を、生存配偶者の免除額として使われる様、譲渡し、生存配偶者が亡くなった際、最初の配偶者の免除額、及びに、生存配偶者自身の免除額を二つ使えることにする制度を言います。ハワイ州においては、ポータビリティーが適用されますので、生存配偶者は、亡くなった配偶者の使われていない部分の免除額も使うことができます。しかし、ポータビリティーの免除を受けるためには、最初の配偶者が亡くなった際、州と連邦両方の相続税の申告書を作成・提出しておく必要があります。

 

 

ハワイ州で資産を所有する場合には、連邦相続税やトラストのことも考慮するとともに、ハワイ州の相続税についても頭に入れておく必要があります。

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執筆者

本郷法律事務所

本郷 友香 弁護士

ハワイ州とカリフォルニア州、両方の弁護士資格を所有し、信託、遺言書作成、プロベート(検認手続き)等を含むサービスを主に提供する弁護士。過去数年間は日本に在住し、大手米国会計事務所にて法務、会計の分野において、国際的な仕事に携わっていたとともに、多種の文書において豊富な翻訳経験がある。日本語・英語のバイリンガルであり、両言語において、会話と読み書きが堪能。