知っていますか。ハワイにあった「日系人収容所」

2016/05/24

ハワイ存在した「日系人収容所」を知っていますか?

みなさんは、「ホノウリウリ収容所」という場所を聞いたことがありますか?

ホノウリウリ収容所は、第二次世界大戦中に、オアフ島 エヴァ地区にあった、ハワイで最も大きく、最も長い期間運営された、多数の日系人が捕えられていた収容所です。

太平洋航空博物館でのホノウリウリで日系人収容所がテーマのサミット

「ホノウリウリ(Honouliuli)」とはハワイ語で「暗い入り江」という意味。この収容所があった場所が深い渓谷で孤立しており、収容所内の環境も良くなかったことから「地獄谷(じごくだに)」との異称で呼ばれていました。

 

 

歴史を知り、未来に生かすためのサミット。

先日、フォードアイランドにある太平洋航空博物館 にて、このホノウリウリ収容所に関してのサミットが行われました。私もその様子を見るために参加させていただきました。恥ずかしいことですが、日米間の歴史や戦争に対して積極的に知ろうとしてこなかった私は、太平洋航空博物館に訪れたのはこのときが初めてでした。

太平洋航空博物館でのホノウリウリで日系人収容所がテーマのサミット

このサミットは、国際問題の学者や、実際にホノウリウリ日系人収容所に収容されていた家族関係者がパネリストとして参加し、意見交換が行われるというもの。未来を担うハワイ在住の学生も参加しての、当事者たちの話を聞くことができる貴重な機会でした。

 

 

再現ドラマと、当事者の体験談の上映。

まず最初に、映像の上映が行われました。内容は、どのように日系人が捕えられたのか、そして、ばらばらになってしまった家族の悲しみや苦しみを描いた再現ドラマと、実際に収容された方やそのご家族の語りで構成されたもの。再現ドラマの部分はないのですが、当事者の方がお話しされている部分のVTRがありますので、ぜひご覧ください。

 

このビデオに出演されているのは、収容された男性の娘と孫にあたる女性。そして実際に収容されていた、ハリー・ウラタ氏も出演されています。

 

――私たちは決して裕福ではないけれど不自由なく、静かに、平和に暮らしていました。1941年 ハワイ時間の12月7日に真珠湾攻撃が開始し、翌年のたしか4月、数名の男性が家に尋ねてきて、「2世」という理由だけで父を連れ去ってしまいました。そのまま父は帰ってきませんでした。

 

「帰米二世」という理由で実際に収容所にいれられた(故)ハリー・ウラタ氏もこのビデオの中で当時のことをに語っていらっしゃいます。ハリー氏はミッド-パシフィック インスティテュートにて民主主義のクラスを行っているときに突然逮捕されました。

 

太平洋航空博物館でのホノウリウリで日系人収容所がテーマのサミット

このように、罪を犯したわけではないのに日本人、または2世という理由だけで多くの人が逮捕され、収容所に入れられました。他の国の収容者も含め、収容所が閉鎖するまでに延べ4000人以上もの人が、有刺鉄線で囲われ、いつも見張られた過酷な環境での生活を強いられました。

 

 

2002年ごろまで、このホノウリウリ収容所の存在はあまり知られることはありませんでした。しかし日本文化センターの「ハワイ強制収容所教育委員会」による調査で徐々に当時のことが明らかになり、ついに2015年2月、オバマ大統領がアメリカの国定史跡に指定すると発表したのです。

 

 

悲しい歴史を知ることの意味。

パネリストによるディスカッションの途中には、当事者の身内にあたる方が、当時収容された本人の怒りや苦しみや、ばらばらに引き裂かれた家族の悲しみを想い、言葉を詰まらせる場面もありました。多くの人が家族の思いに共感し、胸を痛めました。

 

歴史や戦争について知識もなく積極的に知ろうともしてこなかった私でさえ、当事者の家族が目の前で話す光景を見れば、差別によって捕らわれてしまった人や、その家族の心情を自分に重ねてみることができます。

太平洋航空博物館でのホノウリウリで日系人収容所がテーマのサミット

――もしも自分の大切な人が突然連れ去られたら。

――もしも突然犯罪者のように捕らわれ、過酷な生活を強いられたら。

今までまったく考えてこなかったことを、今日初めてイメージすることができたのです。

――どこかの国からの攻撃によって家族を失ったら。

――もし日本が、私の住む外国へ攻めてきたら。

それは日本で自国の歴史を学ぶのとは少し違い、いろんな角度からイメージしたり、平和について考えることができた貴重な体験でした。

過去に起こった悲しい出来事を、私たちのようなこれからを生きる世代の人間が知ることは、世界の情勢がとても不安定な今こそ必要なのかもしれません。

 

 

※ホノウリウリ日系人収容所跡地は、安全上の理由等により一般公開されていません。(2016年5月現在)

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執筆者

制作スタッフ

Asami

アロハタウンネットの制作スタッフ Asamiです。 関西出身。ハワイには住みたてホヤホヤで、まだまだ知らないことばかり。周りの人に助けてもらいながら、なんとかハワイライフを送っています♪ 旅行者や移住したばかりの人の目線で、ハワイでの驚き、発見、日本との違い、おもしろいと思ったこと、最新情報など、どんどん発信していきたいと思います!