熱中症にならない食事指針

2018/08/16

 

暑すぎる夏、メディアで加熱報道される熱中症対策

この夏は世界中で異常気象が続いていることで特に日本でも暑い夏になりました。そのような中、私も先日日本に行く機会がありました。気温は暑いところで38度まで上がり、熱中症で倒れる人が多く病院に担ぎ込まれ、亡くなる人まで出ている事態です。

 

テレビやニュースでは、どのメディアでも熱中症に関しての話題が尽きず、特別番組も多く報道されています。熱中症に関して注意を呼びかけるための報道なのでしょうが、どこに行っても一日中この話題に晒されると、外を歩いたらすぐに熱中症になってしまうのではないかと過敏な精神状態になるものです。

 

さて、熱中症への意識を敏感に掻き立てるメディアでは、スポーツドリンクや熱中症対策商品を勧めつつ、水を多く飲むこと、塩分を適量にとること、またはバランスの良い食事で強い体を作ることなどを勧めています。しかし、現在食事指針として勧められている水分量や塩分量と食事の定義で本当に大丈夫なのかは疑問です。

 

正しい塩分の摂取方法とは

例えば日本の厚生労働省では、一日の塩分量を9g未満(ナトリウム量3500mg未満)と定めており、アメリカ食品医薬品局は一日の塩分量を6g未満(ナトリウム量2300mg未満)としています。現在ではさらに減塩が勧められ、アメリカでは塩分量4g未満(ナトリウム量1,500mg未満)まで下げるように指示している状況です。日本の厚生労働省もアメリカにならう状態で一日摂取量6グラム未満まで減塩を勧めています。つまり一日の塩分摂取量は6グラム以下に抑えるように言われているわけで、その塩分量はそもそも体に足りていません。

 

カナダ人口保険研究所(PHRI)において、世界49カ国、13万3000人の男女を対象に行われた調査で医学雑誌「ランセット」に論文発表された研究結果によると、『塩分は控えれば控えるほど死亡率が上昇する』と報告されています。同報告によると塩分量10.2g〜12.6g(ナトリウム量約4000mg〜5000mg)摂っている人たちが一番健康で、塩分摂取量を6g未満にすると死亡率が4割も上昇することが確かめられました。

本来必要な塩分は12グラムから20グラムということはこの研究結果で発表されている通りで、6グラムまで落とすと病気も40パーセント向上してしまうのです。低めに設定されている塩分量通りの摂取でこの暑い夏を越すのには無理があることが分かると思います。

 

そしてこのように普段から塩分が不足している状態で熱中症対策として水分量を増やしたら、さらに血中の塩分濃度が薄まって塩分不足になり疲労が出たり、調子が悪くなるのは当たり前なのです。

 

このことから、医師は猛暑で発汗したり、熱中症の症状が出始めたら適量に塩分量を増やすようにと、夏限定で意見を変える曖昧な指示を出しているのが一般的です。しかし塩分は、最初から必要量摂取しておく方が良いのです。 しかし、ここで注意する事は普通に売っている精製された食塩は 体に毒になると言う事です。なぜなら、これらは塩化ナトリウムという単体の不自然な化学塩が主体なのでナトリウムが体に急に吸収されてしまうからです。なので、精製塩ではなく自然海塩や岩塩を使うようにしてください。自然の塩はナトリウムに加えて半分未満が多くのミネラル類でできていることから、ゆっくりとした吸収になり体に害になりません。

 

まだある注意すべき点

そして、現代人の重要な問題は、糖分の摂りすぎに対してまるで注意がない点です。駅や露店など町中に溢れたジュースやお菓子類を見ればわかりますが、甘いものが至る所に売られています。たとえ甘いものを食べなくても、外食が多い場合は大量の糖分を摂ってしまっている現状があります。過剰な糖分は塩分を中和し、カルシウムを奪い、血液を凝固させます。糖分はがんの原因でもある事が分かっています。スポーツドリンクも全て精製塩を使っている上に、大量な糖分と添加物を含むのでお勧めしません。

 

そして現代流のバランスの良い食事の定義も実は考え直さなくてはなりません。現代栄養学でいうバランスの良い食事とは、炭水化物、タンパク質、良質な脂質とビタミン、ミネラルから成る五大栄養素がバランスよく摂取できているかということです。しかし現代の食事指針は、塩分を控える事に加えて、肉などからタンパク質を多く摂るというものです。肉食過多に偏ると体液や血液も酸性に傾き血液の流れも悪くなります。

 

現代の栄養指針は、野菜も多く摂るように勧めますが、代わりに主食の炭水化物の重要性を軽視しています。だから人々が野菜でお腹を膨らませてしまい主食の炭水化物を少なく食べるという結果につながりやすいです。炭水化物は大切なエネルギー源なので炭水化物が少ないと体はさらに弱ってしまいます。しかし、炭水化物を抜いていく低糖質ダイエットなど大手フィットネス会社がメディアを通して盛んに勧めており、困ったことにこのトレンドに医師も便乗している現状があります。

また、現代の主食は、白米や精製された小麦粉でできた白い麺類などでミネラルがあまり含まれていません。このことから、精製された白い穀物では、たとえ多く摂っても体に必要なミネラルは不足します。うなぎ登りに増えている現代人の病気や不調とミネラル不足の関連性は周知の問題ですが白米や白い主食を食べていては解決できないのはもちろんのこと、主食を抜いても改善する事柄ではないのです。

 

食事指南5か条

塩分はもちろん、炭水化物もミネラルも不足させてエネルギー不足を誘発し、肉食と糖分で血液を汚して酸化させては大量の水を飲ませて血を薄めているのが現代の栄養指針なのです。このおかげで、現代人は体の状態が熱中症にかかりやすい体質になっているということも熱中症多発の大きな要因になります。もちろん気温の上昇はありますが、それ以上に、体力の基本が崩れている現代人が熱中症に倒れているのが、現在起こっている状況の本質です。

 

この本質を改善するために、ここで紹介する正しい食事指針は:

 

1. 玄米や蕎麦などの全粒の穀物を全体の食事量の7割くらいまでしっかりと摂ること。全粒状態の主食は胚芽と糠にミネラル分が多く含まれるので、体に急に吸収されないことから炭水化物が蓄積されず、エネルギーに代わり体力になります。

2. 肉食を控えること

3. 甘いジュースや菓子などの糖分も控えること

4. 適切な塩を使い、正しい塩分量をしっかりと摂ること

5. 水分もしっかりと摂ること

 

誤った食事指針を続けながら、テレビに影響されて体に悪いスポーツドリンクや熱中症対策グッズを買い込むより、熱中症対策の本質をみた正しい食事指針をお勧めします。

 

ドクター亀井の好評連載コラム一覧は>>>https://aloha.town.net/author/cimonekamei

 

 

病気や不調は現われた“症状”であり、病気の“本体”やその“原因”ではありません。自律神経のアンバランスや血液の質の低下がさまざまな病気の“本体”です。そして、その原因は、一.意識、二.呼吸、三.水、四.食、五.毒素、などの5つの根本原因という生活習慣の誤りです。ジュジュベ・クリニックでは、この5つの根本原因という病気の“本質”を改善することで、体質自体を改善する東洋医学を基本にしたホリスティックケアを行っています。

 

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執筆者

ジュジュベ クリニック 院長

亀井士門 医師

神奈川県で生まれハワイに移住。親が病気になり、従来の治療で改善が見られず、東洋医学で助けられたことがきっかけで東洋医学を志し、 Institute of Clinical Acupuncture and Oriental Medicine(ICAOM)に入学。 2000年にジュジュベクリニックを開設。東洋医学を基本におき、西洋医学、インド哲学のアーユルヴェーダ医学、頭蓋調整オステオパシー 医学を統合させたホリスティック東洋医学の全体論で人間を見るメソッドを開発。 ハワイ州からDAOM(東洋医学博士)を認定される。 現代医学だけでは治り難いと言われる病状の治療や、多くのプロスポーツ選手の治療のかたわら、 日本各地で根本を治すホリスティック医学の普及に勤める。 世界平和実現のためランドオブアロハ世界平和プロジェクトにも力を入れている。