しゃがめない現代人には痛みが多い

2018/10/12

しゃがめない現代人には痛みが多い
 
 

 

現代人は痛み持ち

毎日多くの方がとても辛そうに痛みを抱えて当クリニックにいらっしゃいます。定番の首、腰、膝そして足などの慢性痛で病院等の医師に相談している場合が多く、決まってその部分をあまり動かさないようにと言われて痛み止めなどを渡されています。そして痛み部分をアイスパック等で冷やすように勧められていることから、来院時に患部がとても冷たい方も多いです。このような従来の方法で、薬を常用しても痛みがなくならない人や、さらに悪化しているという人がかなりおり、先の将来に深い不安を抱えています。

 

なぜなら多くの場合、時間が経過しても治らなかったり、さらに痛みがひどくなる時は、精密検査を受けます。すると膝においては関節炎、半月板損傷、腰においては、椎間板ヘルニアや脊椎すべり症をはじめとする様々な病名が付き、抗炎症剤やその他の処方が決まります。そしてその暁には手術を勧められるというのが、お決まりパターンであることが周知のことだからです。

 

現代では、多かれ少なかれ痛みを発症することは、まるで当たり前のようになりました。しかも最近では、多くの若い青年や10代の子供たちも当クリニックに訪れます。病院で膝の関節炎やオスグッド病などと診断されて来院するわけですが、本来元気に駆け回っていなければいけない子供にも痛みが増えているというのもおかしな話です。

 

このような患者さんに共通しているのは、多くの場合何かしら診断名がつき、構造異常があると言われていること、また、 自分で調べて異常があると信じていることがあります。そして患部をアイスパックなどで冷やしていること、抗炎症剤などを服用していることなどです。

 

病名が病気の原因?

骨折や断裂などのケガ以外で、異常を見つけて診断名をつけたり、炎症に対抗して冷やしてしまったりするのは現代医学が主流になったここ50年ほどの間で定着した治療法です。痛み部分の構造に何らかの形で異常があるということを決定づけるのが診断名であり、これが決定した時点で、患者さんも患部が悪いと思い込むことになります。その部分は悪いというノシーボ効果がまるで暗示や催眠術のように意識で働き、痛みが治らなくなったり、増したりする逆効果になるのです。そもそも、椎間板ヘルニアや半月板損傷のような場合でも、痛みがあるのは周りの筋肉や関節包の炎症であり、関節の中ではありませんので、このイメージ自体が間違いです。

 

冷やす行為については、骨折や断裂、または内出血しているケガの場合を除いて、慢性的な痛み部分の炎症を冷やすと、後に痛みが増し治癒効果も長引きます。患部を冷やして痛みを克服しようとすること自体が、炎症を冷たさで征服しようとする西洋的発想から来ています。

 

そして現代の食事も痛みの大きな要因です。糖分が多く高タンパクの食事により、肥満な人が多いです。たとえ肥満でなくとも、血液の流れが細かい血管内で滞り、炎症が生じて痛みを感じている人が多いのです。特に線維筋痛症などがこれの良い例です。

 

現代生活様式の変化が大きく人間を変えてしまった!

加えてさらなる極め付けの原因は、現代人は椅子を使うことで床に座らなくなり、しゃがむことをしないので足腰の可動域が固まっていることです。それはそのはず、しゃがみ込めるか実験すると、多くの現代人が地面にかかとをつけた状態で正しくしゃがむことすら出来ないのが現状です。そして問題は年が若い人々、つまり子供達になるほどしゃがめず、足腰が固まっているのです。それに加えてゴム底の靴を履くことで、歩き方はかかと歩行になり、走り方もかかと着地です。おまけに足と地面の導電性までが絶縁されていて、体に静電気が溜まっています。

 

たとえ手術をしても多くの痛みが完全に消失しないのもここに原因があるからです。昔はこんなに痛みを抱える人はいなかったようだと多くの年配者は言いますが、医学だけでなく生活面でも西洋的思想や文化にどっぷりと浸かっている現代人に痛みが多いのはむしろ当たり前と言えます。

 

なぜ昔の人は頑強だったのか?

では昔の人はどうだったかというともちろん痛みはあったはずです。イタリアの高山の中の氷河で見つかった5300年前のミイラ「アイスマン」でさえ、腰椎に脊椎すべり症が確認され、東洋医学的な経絡とツボの位置にツボ治療の痕跡が見つかっていることなど、人類は大昔から痛みの治療を施してきた歴史的痕跡があります。

 

ただ現代人との違いは昔の人は、余計な診断名によるノシーボ効果にかかっていなかったことや、患部を冷やすことはせず逆に温めたこと、また、食事が質素で肥満は少なく、血液も汚れておらず血液の詰まりが少なかったであろうことが挙げられます。そしてもちろん、日常的に床にしゃがんだり、あぐら座りをすることで足腰の可動域が広くよく動いていたのでしょう。ゴム底の靴もないので、歩き方も正しく静電気も溜まっていなかったのです。現実的に先述したアイスマンは、3000mもある高山まで登っているわけですが、これが同じ状況の現代人であったら、その様な高山を散策しないでしょう。

 

つまり「しゃがむ」の勧め

このことから当院では、志統館武術道場において正座はもちろんのこと「しゃがみこむ訓練」を行っています。支障を抱えた大人も子供達も日々足腰が柔らかくなり、可動域が増えて本当の意味で痛みが治ります。武道メンバーは、道場以外でも日々床に座る昔ながらの生活や作業時でもしゃがみ込んで作業することを徹底しています。患者さんにもこの原点回帰した生活方法を家で行うように指導しています。しかし、あまり動かさないように言われていること、痛いから膝を曲げたりしゃがむのは無理と最初から諦めている人がほとんどで、最初は抵抗がある様です。これは痛いところは使ってはいけないという勘違いから来ています。ポイントは、“痛いから曲がらないのではなく、曲げないから痛い”ということを認識するとです。これを理解して、無理をせず徐々に正座を取り入れたりしゃがむことで、日に日に足腰が曲がるようになり、同時に身体中の痛みが軽減されていきます。

 


裸足でしゃがんだ状態で道場前の石畳を直す作業をする志統館メンバー。この体勢で一日中仕事しても体は痛まない。

 

ドクター亀井の好評連載コラム一覧は>>>https://aloha.town.net/author/cimonekamei

 

 

病気や不調は現われた“症状”であり、病気の“本体”やその“原因”ではありません。自律神経のアンバランスや血液の質の低下がさまざまな病気の“本体”です。そして、その原因は、一.意識、二.呼吸、三.水、四.食、五.毒素、などの5つの根本原因という生活習慣の誤りです。ジュジュベ・クリニックでは、この5つの根本原因という病気の“本質”を改善することで、体質自体を改善する東洋医学を基本にしたホリスティックケアを行っています。

 

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執筆者

ジュジュベ クリニック 院長

亀井士門 医師

神奈川県で生まれハワイに移住。親が病気になり、従来の治療で改善が見られず、東洋医学で助けられたことがきっかけで東洋医学を志し、 Institute of Clinical Acupuncture and Oriental Medicine(ICAOM)に入学。 2000年にジュジュベクリニックを開設。東洋医学を基本におき、西洋医学、インド哲学のアーユルヴェーダ医学、頭蓋調整オステオパシー 医学を統合させたホリスティック東洋医学の全体論で人間を見るメソッドを開発。 ハワイ州からDAOM(東洋医学博士)を認定される。 現代医学だけでは治り難いと言われる病状の治療や、多くのプロスポーツ選手の治療のかたわら、 日本各地で根本を治すホリスティック医学の普及に勤める。 世界平和実現のためランドオブアロハ世界平和プロジェクトにも力を入れている。