予防医学のもう一つのあり方とは

2019/01/19

 

予防医学に関してご質問をいただきました

割と大きい胆嚢ポリープがあったので、摘出の手術を行いました。

外科の先生も特に問題ないでしょうと言っていたのですが、生検の検査結果を確認してビックリです。

そのポリープは数年後に確実に癌になる線種だったのです。今回たまたま、別件でCTスキャンを受けたのがきっかけで、ポリープを発見できたので良かったのですが、この別件が発症してなかったらと思うと、ちょっと恐ろしいです。

ご存知の通り胆嚢の病気は、症状も現れないし、外側からの判断もできないやっかいな臓器です。

外科の先生に「とっておいてよかったね」と言われ、確かにそれはそうなのですが、なんか腑に落ちないところがあります。

ではどうすればポリープが出来るのを防ぐことができたのですか?と尋ねても、その原因はわからないし対処の方法もないと言われました。早期に見つけるしか方法はないとも。生活習慣でもなく、ポリープができやすい体質なのか、遺伝的なものなのかもよくわかりません。病気とはこんなものなのでしょうか?

アメリカでは病気にならないための予防医学が日本より発達していると聞きます。それは医療費の高騰により病気にもなれないという現実もあると思いますが、この予防医学(早期発見治療)というもの、是なのか非なのか先生のコラム是非読みたいです。また私たちは何をすべきなのか。今回の件で真剣に考えてしまいます。

(50代・男性)

 

予防医学の現状

今回は、予防医学についてとても大切な質問をいただきましたので、それに基づいてお話しいたします。

まず予防医学というと、読んで字の如し「病気になる前に予防する」という意味になります。アメリカのような先進国の社会では、予防医学の重要性を重視していて、東洋医学やアーユルベーダ医学などの伝統医学を医療に取り込み始めるなど他国より進んでいる面もあります。

 

しかし、現代医学による通常の疾病の予防としては、これら伝統医学を範囲に入れておらず、代わりに現代医学の見地から一次予防、二次予防、三次予防として段階的に分けた予防医学を定義しています。例えば、バランスの良い食事やストレス軽減、健康への啓発や予防接種などを第一次予防とし、病気になった人へは健康診断、早期発見や処置、合併症対策、重症化の防止を防ぐことを第二次予防とします。そして病気が進行した後のリハビリや後遺症治療、再発防止などを第三次予防としています。

 

このことから質問者様の場合、第二次予防ができていることになりますが、問題は病気なる以前の第一予防ができていたのか、また病気にさせない予防は医学に存在するのかという点です。

 

現代医学によって多くの病気が克服されつつあり、平均寿命も延びたと言われている現代の本質は、多くの中高年者が何らかの薬剤を使用しており、これらを全く使っていない高齢者など珍しくなっています。そして今では多くの若年層や子供達にまで薬剤が処方されている現実もあります。

 

現在の世界の死因別死亡率推移評価によると、過去数十年で昔からある感染症などの病気は大幅に減少したところ、がんや虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病が大幅に上昇しており重大な病気が著しく増えているとランセット(Lancet)医学誌も報告しています。

日本の厚生労働省の発表では2015年度の医療費総額は年間42兆円を超えていて、アメリカでは3兆ドルを超えています。

 

このことから現代予防医学の善意とは逆に、医療総額の高騰に比例して病気の種類も病人も増えている現状に加え、実は薬で症状を抑えられている半病人が増えているだけだとも言えるのです。 質問者様のご懸念通り、第一予防という定義こそあっても、現代の医学には病気にさせない予防というのが実は存在しません。また、がんを含む多くの病気の原因も解明されておらず、早期発見以外の予防医学は納得がいかない定義であることも多々あります。

 

なぜ現代医学は病気の原因を解明できないのか

病気発症の原因や防ぎ方が解明できない理由として、現代医学は生命として体を見ていないことに問題の元があります。これは「機械論」と言いう観念で、人の体をあたかも機械の部品の様に見ていき、食べ物は食べ物、血液は血液、細胞は細胞、遺伝子は遺伝子と体を仕分けして考えてしまう事に起因します。このことで体の中で起こっている多くの生命活動が見過ごされているのです。

 

一つ例を挙げると現代医学は人間の血液が骨髄で作られるとする「骨髄造血」を基本としています。しかし、つい先日のニュースで報道されたように、実際に人間の血液は骨髄だけではなく、腸の中でも造られているのです。東洋医学やその他の「生気論」の伝統医学は、この「腸内造血」に基づいています。

 

血液は腸で造られたあと、身体中の体細胞に分化発展して体が造られる生命の原理について森下敬一博士が1960年代に国会で証言しています。人の健康にとって血液の源泉を正しく把握することは基本であるところ、そもそもの造血場をまるで違ったところに想定した土台の上で医学があるため、病気の原因をつかむことができていません。

 

 

がんは細胞分裂で増殖するのではないという事実

現代医学のがんの見方も、突然異変をおこした細胞が、細胞分裂を繰り返して増殖するとされています。これについても森下博士は、細胞分裂を繰り返すように特殊な遺伝子操作をした細胞を観測している結果としています。事実、1950年代に子宮頸がんで亡くなった女性のがん細胞を異常に急激な増殖を示すように手を加えた異常細胞、HeLa細胞(ヒーラさいぼう)が細胞分裂の観測に世界中で使われていることから、これによってがん細胞分裂のイメージが定着しているところも否定できません。ちなみに永遠に分裂を繰り返すHeLa細胞は、現在様々な物議を醸しています。

 

森下博士は、このがんの増殖に関しても細胞分裂ではなく、粗悪な食によって体内で造られる悪質な赤血球や白血球が、がんに分化発展して増殖していると研究されており、このことを国会証言ではっきりと述べられています。

これから数十年後の現在、この件を連想させる研究報告、つまり、がん細胞は実は分裂を介さずに面積を広げていくことが、大阪大学の研究としてアメリカのカレントバイオロジー(Current Biology)生物学学術雑誌で2018年6月に発表されています。論文には2種類の発がん型遺伝子を持つガン細胞が分裂増殖でなく、代わりに「面積を広げて」周りの細胞死した場所を埋めていく様子が、コンピューター分析と生体内分析で証明されたとまとめられています。

 

がんが細胞分裂しているのであれば、増殖の一方通行ということになりますが、分化発展するのであれば、がんも逆方向に逆分化して治る事もできる、つまり可逆的であるというのが森下先生の長年の主張です。この生命の本質の入り口に科学がやっと近づいてきたのはつい最近のことです。

 

病気の予防に必要なのは食生活

また、がんを含む多くの病気の原因は、高タンパクの食事にあるところ、現代栄養学は病気の予防としてこれを勧めている結果、病人が増えているのも皮肉なことです。

高タンパクの食事を摂ると腸内で異常発酵が起こり、体内で発がん性の有毒ガスが作られます。またタンパク質が分解するときの派生物質で体液は酸化します。また、腸の内側が炎症するので、栄養が血中に漏れ出し血液が汚れて流れが悪くなります。これで体の至る所に炎症の元が作られた上で、腸の造血機能の具合が悪くなれば、血液の質までも落ちて体全体の細胞がおかしくなるのは必然です。

 

確かに早期発見は、大切な予防医学です。しかし本当の意味で予防医学を考察するのであれば、生気論の観点から見る正しい生命科学を応用して食べ物が腸で血になり体になると認識することです。がんになる食事をすれば、がんに発展する血液ができ、またそれががんに成る。その観点から病気にさせない食事や生活習慣を定義し、病気を根本から治すことで進行させないことが大切なのです。

生気論に基づく予防としての食生活のアドバイスは、精製された糖分や肉類をなるべく控え、玄米菜食を中心として発酵食品を日々摂り、腸を整え良い血液を造ることです。

 

予防医学が基本である東洋医学の観点では、大昔から上医、中医、そして下医と医師のレベルが3種類に分けられています。未病の状態で恒常性を整えて病気にさせないのが上医で、病気にさせてから治しにかかるのは中医と下医です。漢方の生薬にも上薬、中薬そして下薬があり、レベルの高い薬は、食べ物と同等な緩やかな作用を持ち、下薬になるほど西洋薬に似た強力な作用になります。下医は病気を強めの薬で治療しますが、上医は食事と上薬のみで発病させないのです。

 

「上医は国を医し、中医は民を医し、下医は病を医す」という格言にある様に、世界に求められているのは、生気論に基づく生命科学を検証し、現代型の化学物質や公害物質などの環境問題をも視野に入れる予防医学のもう一つのあり方であると言えます。

 

 

 

 

第43回コラム『血液は腸でも生成される!』>>>https://aloha.town.net/?p=67900

 

ドクター亀井の好評連載コラム一覧は>>>https://aloha.town.net/author/cimonekamei

 

 

病気や不調は現われた“症状”であり、病気の“本体”やその“原因”ではありません。自律神経のアンバランスや血液の質の低下がさまざまな病気の“本体”です。そして、その原因は、一.意識、二.呼吸、三.水、四.食、五.毒素、などの5つの根本原因という生活習慣の誤りです。ジュジュベ・クリニックでは、この5つの根本原因という病気の“本質”を改善することで、体質自体を改善する東洋医学を基本にしたホリスティックケアを行っています。

 

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執筆者

ジュジュベ クリニック 院長

亀井士門 医師

神奈川県で生まれハワイに移住。親が病気になり、従来の治療で改善が見られず、東洋医学で助けられたことがきっかけで東洋医学を志し、 Institute of Clinical Acupuncture and Oriental Medicine(ICAOM)に入学。 2000年にジュジュベクリニックを開設。東洋医学を基本におき、西洋医学、インド哲学のアーユルヴェーダ医学、頭蓋調整オステオパシー 医学を統合させたホリスティック東洋医学の全体論で人間を見るメソッドを開発。 ハワイ州からDAOM(東洋医学博士)を認定される。 現代医学だけでは治り難いと言われる病状の治療や、多くのプロスポーツ選手の治療のかたわら、 日本各地で根本を治すホリスティック医学の普及に勤める。 世界平和実現のためランドオブアロハ世界平和プロジェクトにも力を入れている。