新型コロナに今すぐ使える自然薬とライフスタイル医学
2021/10/20
新型コロナウィルスによるパンデミックが始まってからおよそ二年が経過しようとしていますが、世界中が未だに治療法の新薬を模索している状況です。日本ではデルタ株により医療ひっぱくが心配された時期もあり、まだまだ将来に関して不安に駆られている人も多いと事と思います。
この様な状況に加え最近の研究では、新型コロナウィルスのワクチン接種が進んでいる地域でも再感染率が大きい事が発表されました。この論文*1では大規模な調査に基づいた結果、現在のワクチンを最優先する対処法は再考されるべきで、人類が長年インフルエンザと共存してきたように、生活習慣を含む予防医学的な対策の必要性が問われています。
〔*1〕「COVID-19の増加は、68カ国および米国の2947郡におけるワクチン接種レベルとは無関係であることが判明 / Increases in COVID-19 are unrelated to levels of vaccination across 68 countries and 2947 counties in the United States 」 European Journal of Epidemiology (ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー) ハーバード大学人口開発研究センター S. V. Subramanian et al.9/30/2021発表
(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
私たちJujubeクリニックは東洋医学を基本とし、自然医学と西洋医学の長所を調和させた治療によって地元ハワイや日本、アメリカ本土や各地にいる患者の病気の治療や健康管理を行なっており、新型コロナに関しても世界中の人々から連絡を受けてケアとサポートを行って来ました。
新型コロナ陽性の患者は、遠方はもちろん、地元の方でも直接通院を行わず携帯電話を使ったリモート(遠隔)のやり取りで安全面を守りつつ、適切な指示を送る形で治癒に向けてお手伝いを行っております。その結果、直接の治療がなくても「自然薬」と「ライフスタイル医学(生活習慣医学)」を用いて大変良い経過を残して来ました。
この経験をもとに、皆様がこれからの「withコロナ」を健全な心身で乗り切るための自然薬とライフスタイル医学についてお話しいたします。
漢方薬などの自然薬による治癒
世界中で新型コロナに打ち勝つ新薬が模索されている中、実は私たちの身近なところに最良の薬があるのをご存じでしょうか。それは免疫機能を整えてくれる漢方薬、ハーブ類、エッセンシャルオイルなどの自然薬です。
西洋医学的には非科学的なイメージさえある自然薬は、強い薬剤のように「菌やウイルスを探して倒す」という発想ではなく、自然免疫を整えて体がウイルスと調和することにより、治癒に向かわせるものです。自然薬は根本的な免疫を発動させることから、新型コロナに対する効果的な手段としての研究が進んでおり、その効果を実証する権威ある論文も多数発表されています*2 。
〔*2〕新型コロナの自然薬による治療に関する論文
(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
その中でも漢方薬は、喘息などの慢性の疾患をはじめ、インフルエンザや新型コロナ等による多くの呼吸器の問題にも効果を発揮することが証明されています*3。
漢方薬の作用で大切な点は、多くの漢方薬は免疫系に作用して体を治していくことが既に分かっている事です。つまり、菌やウイルスに直接作用するというよりは、体の免疫機能を促進して治癒作用を強め、症状を改善するということなのです*4 。
例えば清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)と言う漢方は、新型コロナの治療薬としてFDAの第一次治験も行われております。これらの漢方薬は、西洋医学の治療とも相乗効果が出ることも既に分かっています*5 。
〔*3〕漢方薬を使った新型コロナの治療研究
「漢方薬によるCOVID-19患者の予防と回復。症例報告と現在進行中の臨床試験のレビュー / Prevention and Recovery of COVID-19 Patients With Kampo Medicine: Review of Case Reports and Ongoing Clinical Trials 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*4〕漢方薬は免疫系を通して体に作用することを示す研究論文
「漢方薬「補中益気湯」の上気道粘膜免疫系に対する刺激効果/ Stimulating Effect of Japanese Herbal (Kampo) Medicine, Hochuekkito on Upper Respiratory Mucosal Immune System 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
〔*5〕薬用植物での新型コロナの治療と西洋医学との併用治療
「COVID-19に対する活性分子の供給源としての薬用植物/Medicinal Plants as Sources of Active Molecules Against COVID-19 」 (アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
新型コロナに市販の葛根湯・麻黄湯・清肺湯
当クリニックでは、お近くのドラッグストアで処方箋なしで購入できる葛根湯(かっこんとう)*6、麻黄湯(まおうとう)*7 、清肺湯(せいはいとう)*8 の三種類をお勧めしています。
漢方薬は新型コロナの治療薬としても再注目されており*9、簡単に購入できるので当院でもパンデミック当初から自宅療養で使って頂き、その効果を確認しています。これら漢方薬の多くは、従来の西洋医学の治療と合わせることでも、相乗効果が認められています*10。
新型コロナ患者の中には、軽症から中等症I・中等症 IIなど保健所の指示で自宅治療・療養中の方、病院の外来治療を受けながら自宅で療養している方、病院の治療待ちの方、退院してから自宅で酸素治療を行っている方など、色々いらっしゃいます。病院に勧められた薬を服用している場合も多く、隔離入院の方をはじめ、退院後もケアをしているケースもあります。
先日、病院の治療室にいた中等症 IIの患者を、担当の医師と連携して診察を行う機会がありました。この患者は病院の治療では改善せずに人工呼吸器を使用する一歩手前にありましたが、ご本人の意向で漢方薬とその他の自然薬を処方した所、病状が確実に改善に向かいました。
最近では、ワクチン接種済みにもかかわらずデルタ株での陽性反応が出て発症した患者も数名治療を行っています。ある方は、ワクチンによる強い副反応を当院で治療し改善した後、デルタ株に陽性反応が出て体調を崩し、またその治療を行うこともありました。
改めて皆様に知っていただきたいことは、新型コロナの治療として強力な新薬を求めなくとも、日本でも今すぐ入手し、安全に使える薬があると言うことです。現代医学の治療を施している方、医療を受けていない方、ワクチン接種・不接種を問わず、基礎体力と免疫を丈夫にする事は必要不可欠なのです。
〔*6〕葛根湯(カッコントウ:Kakkonto)を含む漢方による新型コロナへの効果に関する論文
(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*7〕麻黄湯(マオウトウMaoto)の効果に関する論文
「インフルエンザウイルス感染における宿主の脂質メディエーターおよびトランスクリプトームシグネチャーに対するマオウ湯(麻黄湯)の効果」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要
〔*8〕清肺湯(セイハイトウ:Seihaito)の効果に関する論文
「ヒト肺胞マクロファージのルシゲニン依存性化学発光およびロイコトリエンB4合成に対する清肺湯およびその主成分フラボノイドであるバイカレインの影響」 (アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*9〕新型コロナに効果を出す漢方方剤
「ウィルス感染を減少させる東アジアの漢方薬は? / Which East Asian herbal medicines can decrease viral infections? 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*10〕新型コロナ治療に対して西洋医学だけによる治療よりも漢方薬併用で治療効果が上がる事に関する論文
「コロナウイルス感染症の治療のための漢方薬2019(COVID-19)。無作為化対照試験のシステマティックレビューとメタアナリシス / Herbal Medicine for the Treatment of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19): A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
今注目されている清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)について
清肺排毒湯(セイハイハイドクトウ)が、新型コロナパンデミックの対処薬の為に「COVID-19の漢方処方」アメリカFDA規制対象医薬品としての臨床試験が始まっていることは前述の通りです。
この漢方薬はコロナパンデミックを受け、2020年に五種の方剤(二十一種類の漢方)を合わせて作られた新型漢方方剤です。それぞれ違った作用を持つ伝統的な漢方薬を合わせた効果で、多くの患者を救っている事も確認されています*11。
現在この方剤に多くの注目が集まっていることから、効果を期待して始めから清肺排毒湯を単独で使用するケースも見られます。しかしながら、清肺排毒湯はさまざまな漢方薬の効力を一つにしていることから、強い漢方であると考えられます。漢方医学では、強い薬は必ずしも良薬ではなく、むしろ体に優しいものを状態に合わせて処方する方が好ましいのです。昔ながらの葛根湯や麻黄湯、清肺湯(セイハイトウ)などが一番安全であり、その効果が歴史を持って証明されているのです。
このことから当クリニックでは、葛根湯を第一段階に使用し、第二段階で麻黄湯、第三段階で清肺湯、というように症状に合わせて三種をまず使用し、第四段階の必要がある場合に清肺排毒湯をお勧めしています。
〔*11〕清肺排毒湯(セイハイハイドクトウ)による新型コロナへの効果に関する論文
「COVID-19の入院患者におけるQingfei Paidu Tang(清肺排毒湯)の使用と死亡率との関連。全国規模のレトロスペクティブ・レジストリ研究 / Association between use of Qingfei Paidu Tang and mortality in hospitalized patients with COVID-19: A national retrospective registry study 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
▶漢方薬の使い方
自宅治療の場合は、まず保健所と連絡を取り合うことも大切です。そして、葛根湯・麻黄湯・清肺湯を用意します。また、体温計と共に指先で酸素濃度を計測する「血中酸素濃度測定器」を定期的に使うと、症状の経過を把握できます。
血中酸素濃度とは、動脈血に含まれる酸素量のことをいいます。正常の場合は94~95%以上で、肺に空気が入りにくい状態や、肺胞から酸素が取り込めない状態、つまり呼吸がスムーズに行えない状態では下がります。その結果、体中の臓器に酸素が十分に行き届かない状態になると、生死にかかわる状況となります。
①葛根湯
第一段階・初期~自覚症状の出始め。
葛根湯は初期の治療薬として鼻水や喉の痛み、寒気を感じた時に使います。
②麻黄湯
第二段階・中期~発熱時。
麻黄湯は寒気、発熱が始まり、汗がさほど出ていない状態の中期の治療薬です。
③清肺湯
第三段階・後期~せき、痰、肺炎。
清肺湯は咳や痰など、胸に感じる症状や肺炎の時など後期の治療薬です。
漢方薬は上記のように症状に合わせて使い分けます(混ぜて同時に飲むのではない)。例えば、症状があるかないかの初期症状は、葛根湯を飲み、症状が消えた場合はこの段階で終えます。
症状が進んで熱が出始めたら、麻黄湯に切り替えます。発熱を呈する多くの場合は、この麻黄湯の治療をしばらく続けると、汗が出て症状が良くなります。服が濡れたらこまめに着替えてください。
咳が出て痰が絡むようになり、気管支や肺に不調を感じたりする時、また肺炎を起こした段階で、清肺湯を使います。
以上が漢方の段階的な使い方ですが、人によっては中期や後期の症状から漢方を服用し始める場合もあるので、まず自分が初期・中期・後期のどの段階にいるかを把握して、それに合ったものを選んで使い始めてください。
東洋医学では、症状や熱が出るのはむしろ自然なことであり、自然免疫が働いている大切な体の作用であるとします。体がこの段階を超えていくことで自然免疫が獲得免疫となり、抗体を含む免疫反応が更なる変異種の予防になるのです。
漢方薬はむやみに熱を下げたり、症状を抑えるものではなく、免疫が正常に発動しやすいようにこれを助ける薬と考えてください。
エッセンシャルオイル の治療効果
エッセンシャルオイルもまた、普段から予防として使えますが、治療薬としても効果的な自然薬です。
ラベンダーやペパーミントオイルは血中酸素濃度を上げることが臨床的に知られており、呼吸が楽になります*12。また、エッセンシャルオイルも漢方と同じように抗ウィルス効果が認められています*13。
〔*12〕エッセンシャルオイルの酸素を増やす効果に関する論文レポート
「呼吸器シンシチアルウイルス肺炎を伴う拘束性肺疾患の3歳児における持続的酸素依存症の治療におけるエッセンシャルオイルの散布 / Essential oil diffusion for the treatment of persistent oxygen dependence in a three-year-old child with restrictive lung disease with respiratory syncytial virus pneumonia 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示のケースレポート概要)
〔*13〕新型コロナに対するエッセンシャルオイルの効果
「ナノキャリアに組み込まれた抗ウイルスエッセンシャルオイル。COVID-19および将来の感染症パンデミックからの予防のための戦略 / Antiviral Essential Oils Incorporated in Nanocarriers: Strategy for Prevention from COVID-19 and Future Infectious Pandemics 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
▶エッセンシャルオイルの使い方
オイルの使い方は、胸、首元・首の後ろに数滴を擦り込みます。また、オイルを手首の内側につけてすり合わせてから、鼻に近づけて腹式呼吸で数回深く吸い込む作業を、一日に必要な回数だけ行います。あるいは、部屋の空気にオイルの分子を散布させるディフューザーも効果的です。
ライフスタイル医学を加えて実践する
自然薬と同時に、食事を含む生活習慣を改善し、正常な免疫力を促進するライフスタイルを実践する事が大切です*14。
漢方薬や自然薬に加えて、生活習慣の改善を同時に行うことで免疫機能が促進され、相乗効果が期待されます。最先端の西洋医学的な治療法と従来の自然医学を合わせることは、将来的に一般的な治療法になって行くと考えられます。
〔*14〕新型コロナに関するライフスタイル医学の効果に関する論文
「COVID-19パンデミック時(後)のライフスタイル医学 / Lifestyle Medicine During (and After) the COVID-19 Pandemic 」 (アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
腸と血液の状態が新型コロナ発症の度合いに影響している
ライフスタイル医学とは、生活を通して根本的な健康を正すために、簡単に実践出来る生活習慣医学です。報道では焦点になっていないものの、新型コロナによる症状の度合いは個人の免疫力や基礎疾患に直結している事は誰の目にも明らかになっています。
新型コロナによる死者が出ている一方、無症状や軽症で済んでいるケースが多いことも無視出来ません。大規模な統計から浮かび上がった事は、人々の健康は腸や血液の状態に関連がある事が予想され、決して外見だけでは判断出来ないという事が分かります。
健康のバロメータとして腸と血液の状態を考慮する事は東洋医学に基づく考え方ですが、次第に西洋医学でも注目され、現在のパンデミックを皮切りに新型コロナを腸と血液に関連させた研究が進んでいます。
例えば、サイトカインストーム(白血球の暴走)は、腸内で生産される「レギュラトリーT細胞」が少ないことが原因の一つであることが突き止められ、腸内の善玉細菌の減少も重篤化に繋がっている事が発表されています。腸内細菌叢(さいきんそう)のバランスが崩れて血中脂肪が増えることによって血中粘度が上がり、汚れた血液と新型コロナ悪化の関連についても、論文が発表されました*15。
〔*15〕血液粘度と新型コロナの関連性に関する論文
「COVID-19患者の血液粘度:予備報告 / Blood viscosity of COVID-19 patient: a preliminary report 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
新型コロナのみならず、ウィルス感染による病状の重症化には肥満、高血圧、心臓病、慢性疲労、糖尿病やガンなど基礎疾患が関連している上、炎症や免疫異常における酸化ストレスも注目されていますが、その根底にある原因として腸の不調や*16*17*18 血液の汚れがあることも立証されてきたのです*19*20*21 。
〔*16〕腸内細菌叢とがんの関係に関する研究
「腸内細菌、食生活、そしてがん / Gut Microbes, Diet, and Cancer」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
〔*17〕腸内細菌叢と高血圧の関係に関する研究
「腸内細菌叢の異常は高血圧につながる / GUT MICROBIOTA DYSBIOSIS IS LINKED TO HYPERTENSION」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
〔*18〕腸内細菌叢と糖尿病の関係に関する研究
「腸内細菌叢と2型糖尿病:現在の状況と今後の方向性について / Gut microbiome and type 2 diabetes: where we are and where to go?」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*19〕血液粘度と糖尿病に関する論文
「2型糖尿病のリスク因子としての血液粘度とヘマトクリット:地域社会における動脈硬化リスク(ARIC)研究 / Blood viscosity and hematocrit as risk factors for type 2 diabetes mellitus: the atherosclerosis risk in communities (ARIC) study 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*20〕血液粘度と高血圧に関する論文
「健常者および高血圧症患者における血圧と血液粘度の直接的な関係。フィブリノゲンと濃度の役割 / Direct relationship between blood pressure and blood viscosity in normal and hypertensive subjects. Role of fibrinogen and concentration 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*21〕血液粘度とがんに関する論文
「ガンにおける血液凝固とヘモレオロジーの相互関係に関する研究 / Interrelation of blood coagulation and hemorheology in cancer 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
腸内環境の改善とは、腸内細菌叢を正すことに他なりません。食を見直すことで細菌叢を正して血液を浄化しつつ、漢方などの自然薬を使って免疫を内から活発にすれば、ウィルスにも備える体が作れます*22。腸内の細菌叢の環境は血液の粘度にも影響することから*23、血液を浄化する方法として妥当なものです。つまり、腸内細菌を整える事こそ根本的な治療法であり*24、健康を保つ上で信用出来る実践法なのです。
〔*22)腸内細菌が造血及び自然免疫、獲得免疫を維持していることの研究
「腸内細菌叢による造血の維持 / Gut microbiota sustains hematopoiesis」(米国血液学会の「Blood」誌より掲載論文)
〔*23〕腸内細菌叢が血中粘度に関係することを示す論文
「腸内細菌叢が関与する血中脂質の変動はかなりの部分を占めている / The Gut Microbiome Contributes to a Substantial Proportion of the Variation in Blood Lipids 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*24〕「感染症における血液粘度の役割 / The Role of Blood Viscosity in Infectious Diseases 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
発酵食品を摂って腸内細菌叢を正す
では、日々の生活の中で、腸内細菌をどのように整えればいいのでしょうか? 答えは、発酵食品を日常に取り入れることで、腸内細菌を補給することです*25。毎日の食事で発酵食品を摂る様に心がけてください。
発酵食品は、納豆や漬物、ピクルスなどです。特に糠漬けなどは乳酸菌を始め、酵母菌や酪酸菌などの多様な種類の善玉菌を含む優れた発酵食品です。
新型コロナに対する手段として、発酵食品によって腸と肺の免疫を補強することが効果的であることや*26、発酵野菜を摂ることと低い死亡率への関連も分かっています*27。
〔*25〕「ワンヘルス、発酵食品、腸内細菌叢 / One Health, Fermented Foods, and Gut Microbiota 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*26〕「COVID-19パンデミックに立ち向かうための有益な微生物の貢献の可能性 / Potential contribution of beneficial microbes to face the COVID-19 pandemic 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*27〕「キャベツと発酵野菜:各国の死亡率の不均一性から導く重度COVID-19の緩和戦略の候補 / Cabbage and fermented vegetables: From death rate heterogeneity in countries to candidates for mitigation strategies of severe COVID-19」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
腸内の改善→血液の浄化→自然免疫=獲得免疫(自己ワクチン)
私たちにとって一番大切なことは、健康の原点に帰る事です。今までのウイルスに“打ち勝つため”の武器としてワクチン及び新薬の模索や、ウイルスから逃れると言った様な、ウイルス=敵とする精神状態から脱却すべきなのです。
何故なら、多くの研究者も指摘するように、ウイルスとは変異を繰り返すものであり、それに対して私たちが馴染んでいく方が、何百万年と受け継がれて来た自然の摂理です。私たちは地球上の生物である限り、ウイルスやバクテリアなどの生命体を遮断して生きる事はできません。ウイルスと人間は、ある部分では押し、ある部分では引く体内での駆け引きをする共存の関係であることから、私たちは免疫力をつけながらウイルスの波をうまく乗り越えて生きていくことが、生命の原理に沿った生き方であると言えます。
ここで大切な鍵になるのが、自然免疫と獲得免疫です。例えば、私たちは免疫力が落ちると風邪やインフルエンザにかかりますが、いつの時代も自然免疫でそれらを乗り越えることで、体は鍛えられると同時に、変異種に対応して生きてきたのです。私たちの体は、菌やウイルスに対処するプロセスを経て獲得免疫に学習させて、抗体を作ることはもとより、B細胞やT細胞を含む適応免疫系が活性化されるのです。
これは獲得免疫・適応免疫などと呼ばれますが、変異種に対応する予防を身につけることになります。人類が経験していないとされる未知の新型コロナの場合であっても、健康体であれば自然免疫が私たちを守ってくれることも最近の研究で分かっています*28。よって新型コロナの場合でも、私たちが自然免疫を見直して、能動的に乗り越えていく意識を持つことが大切なのです。
私たちが普段から体内を浄化することで免疫力を整えるという意味は、腸を整えて血液を浄化して、真の健康体になることなのです。自然免疫を整えることは、環境においてウィルスに触れても獲得免疫を更新し、即ち「自己ワクチン」を作る事は証明されています。
〔*28〕新型コロナに対する自然免疫の研究に関する論文
「COVID-19患者の自然に活性化された適応免疫力 / Naturally activated adaptive immunity in COVID-19 patients 」 (アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
血液を造る腸を健康にする
私たちジュジュベクリニックでは、当初からライフスタイル医学による腸と血液の浄化をお勧めしています。腸内の改善が血液の浄化に繋がる理由の一つとして、血液が腸でも造られる事があります。従来は、血液は骨髄で作られると考えられていますが、腸内で造血される現象を「腸内造血」とも言います。
これに関して、日本の医師で血液学者の森下敬一博士が、1960年代に国会で既に証言しています。腸内造血の理論では、食べ物を材料にして腸で血が造られるので、動物性のタンパク質や砂糖に偏った食生活は腸内環境を崩し、腸内で悪質な血液が作られる事が明白に示されています。
森下敬一博士の腸管造血に関する国会証言(出典:国会会議録検索システム)
森下博士の研究から半世紀以上経った今では、多くの「腸内造血」に関係する研究が発表されており、腸内細菌叢が造血を維持すること*29、腸内細菌層の悪化が造血に支障をきたす事*30、ヒト腸管移植片に機能的な造血幹細胞および前駆細胞が含まれている事*31、などの報告によって腸内造血は立証されているのです。
〔*29)腸内細菌が造血及び自然免疫、獲得免疫を維持していることの研究
「腸内細菌叢による造血の維持 / Gut microbiota sustains hematopoiesis 」(米国血液学会の「Blood」誌より掲載論文)
〔*30)腸内細菌叢の造血への関与に関する研究論文
「造血作用と微生物叢 / Hematopoiesis and the bacterial microbiome 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*31〕腸内造血に関する論文
「ヒト腸管移植片には機能的な造血幹細胞および前駆細胞が含まれており、循環プールによって維持されている / Human Intestinal Allografts Contain Functional Hematopoietic Stem and Progenitor Cells that Are Maintained by a Circulating Pool 」 (アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
腸内造血の理論において、腸内で生成された血液はその後体細胞に分化します。このため、良質な食べ物からは、良質の血液が作られるので、その血が体細胞に成り、健康体になるのです。森下理論は、消化された食べ物が腸内でモネラ状の物質に変化し、さらに腸内の上皮細胞に変わり、その細胞が血球母細胞と言う小腸内の造血細胞に分化して、赤血球が生み出され、その赤血球が様々な細胞に分化発展するメカニズムを提示しています。これを裏付ける「特別な環境下で細胞が違う細胞に変わる」現象についても報告されています*32。
〔*32〕「異なる微小環境で誘発される体細胞から幹細胞様細胞への変化 / Somatic cell transformation into stem cell-like cells induced by different micro-environments 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
ウイルスは「体の内からも」発生することの理解
千島・森下腸内造血理論では、出来上がった体細胞は、逆分化して赤血球に戻ることや、あるいはウイルス状の物質への分解・崩壊を経て体外へ排出されます。吐息や汗、排尿、排便、肌の剥離など様々な経路で排出されることから、逆分化こそがデトックス(体内解毒)の本質となります。
これを裏付ける最近の研究として、体細胞が逆分化し幹細胞に戻る「細胞の可逆性」を研究する「Cell Reversal Theory (CRT)」*33があり、また、細胞がウイルス状の物質に分解・崩壊していくプロセスを裏付ける、エクソソーム(細胞外小胞)の研究もあります*34。加えて、ウイルスとエクソソームの類似性は大差がなく、非伝染性のレトロウイルスとは区別が付かない事も発表されています*35。
〔*33〕「生体内での成体細胞の可塑性:分化転換が再流行 / Adult Cell Plasticity In Vivo: Trans-differentiation is Back in Style 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
〔*34〕ウイルスに似た細胞放出物エクソソームに関する論文
「トロイ型エクソソーム仮説 / The Trojan exosome hypothesis 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文概要)
〔*35〕ウイルスとエクソソームの類似性に関する論文
「細胞外小胞とウイルス。近い親類か? / Extracellular vesicles and viruses: Are they close relatives? 」(アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館より提示の論文)
これらの研究は全て、アメリカ合衆国連邦政府運営・アメリカ国立医学図書館で閲覧出来る、権威ある査読済の論文です。
新型コロナの原因は自分の内にもある
これまでコロナ禍での健康維持の大切な見方として、現代医学が辿り着き始めた新型コロナと腸と血液の関連と、そこからさらに一歩進んだ東洋的な腸内造血理論を説明しました。未だに、ウイルス学には諸説がありますが、新型コロナウイルスも、細胞内のRNAが多い細胞質から湧いて出てくるものです。現時点でのどの様な科学的観点でもはっきりしていることは、例えコロナウイルスでも自分の体から検知されたものは、所詮は自分の細胞のタンパク質、つまり自身の一部で構成されているという事は確かなのです。つまり、ウイルスという仮想敵は、自分自身の細胞の一部であり、自分の細胞を敵呼ばわりする西洋的な観念はいつまでも通用しないことがわかります。
東洋的な腸内造血理論で見た場合では、ウイルスとは自分の分身に他なりません。この見方では、“腸内の改善→血液の浄化→細胞の改善→悪性の菌やウィルスの不発生”となることを示唆しています。これからは必然的に調和の思想が必要になり、腸内造血理論を基に和の精神に原点回帰すべきなのです。この考え方によって、例えがん細胞であっても病気の正体は血液の不純であることから、食を正し、腸を健康にして血液を浄化することで、心身を安定させることが医学の真髄であり、この発想は新型コロナに関しても基礎疾患の根本治癒になります。
これからの「withコロナ」の時代は、人と自然との戦いという西洋的な価値観から脱却し、生命の基本に立ち返った心構えが必要となります。例えウイルスに侵入されたとしても、正しい意識を持って漢方薬をはじめとする自然薬を使い、正しい食事と発酵食品をとって腸と血液の浄化を心がける事、アーシングや太陽光を浴びるなどのライフスタイル医学で健康状態を根底から改善する事が大切です。健康の基準を東洋思想に戻すことにより、コロナ禍を取り巻く精神的な負担も正せるでしょう。この時期を逆手にって、発酵食品の発祥地である日本が率先して、世界に健康的な生活の模範を示す時ではないでしょうか。
関連動画:Shing02とDr.シモンのリアルトーク「ウイルスはメッセンジャー」
ドクター亀井の好評連載コラム一覧は>>>https://aloha.town.net/author/cimonekamei
ジュジュべ・クリニック
一般的に病気や不調とは「症状」の現れであり、病気の「原因」ではありません。自律神経の不調や血液の質の低下がさまざまな病気の「本体」です。そして、その原因は、一.意識、二.呼吸、三.水、四.食、五.毒素、などの五つの根本原因という生活習慣の誤りです。私たちはこの五つの根本原因という病気の“本質”を改善することで、体質自体を改善する東洋医学を基本にしたホリスティックケアを行っています。






